会長挨拶

 このたび第53回日本胆道閉鎖症研究会を北陸の地、金沢で開催させていただくことになりました。歴史ある本研究会を主催させていただくことは、大変光栄に存じます。
 1975年に仙台で東北大学名誉教授・故葛西森夫先生が開催されてから半世紀が経過し、小児外科のみならず移植外科、小児科、病理、基礎医学など多方面からのアプローチにより診療体制、治療成績、病態解明に飛躍的進歩を遂げ、「胆道閉鎖症ガイドライン」も第2版が刊行されました。早期発見・診断、早期治療が重要であることは論を待たず、そのための様々な工夫がなされ、患児のQOL改善に大きく寄与しています。しかしながら病態についてはまだまだ解明されていないことも少なくなく、葛西手術で成人期にも良好な肝機能が維持されている方々がおられる一方、葛西手術を行っても早期に肝移植が必要となる小児例や自己肝で成人に達しても肝機能障害や胆管炎、門脈圧亢進症などでQOLが損なわれている方々も少なくありません。腹腔鏡での葛西手術や肝移植ドナー手術など手術手技の進歩も著しいものがあり、患児に多大な恩恵があることは疑いの余地のないところです。今回は今一度患児のQOLについて考えてみたくテーマを「QOL向上を再考する」といたしました。サブテーマとしては「真のQOL向上を目指して」とし、患児たちおよびその家族の思いにも耳を傾け、今患児たちにおいては何が問題で何が求められているかを再考したいと思います。また今回も基礎的、臨床的見地からの様々な提案、知見をご紹介いただき、さらなる病態解明、早期発見、新規治療の発展を期待しております。
 12月の金沢は海の幸も豊富な時期でもあり、おいしいお酒も多数あります。北陸の食も楽しんでいただきたいと思います。冬の金沢でみなさまにお会いするのを楽しみしております。

金沢医科医大学・小児外科
岡島 英明